加須市北川辺地域のオニバス

埼玉県内唯一のオニバス自生地

加須市北川辺地域のオニバス

加須市指定天然記念物
埼玉県レッドデータブック絶滅危惧ⅠA類

 オニバスは池や水路で見られるスイレン科の一年草です。全体に鋭いトゲが生えているため「鬼」の名がつけられました。
 オニバス自生地は加須市北部の北川辺地域のほぼ中央に位置し、昭和32年まで越中沼があったところです。当時の越中沼には、オニバスをはじめ、マコモやヒシなどの水生植物が繁茂し、魚や野鳥たちがたくさん生息していました。
 その後、水田開発のため利根川の浚渫(しゅんせつ)工事の余剰土砂によって越中沼は埋め立てられ、現在の水田地帯となり、オニバスは絶滅したと思われていました。
 しかしながら幸運なことに、昭和57年の水路の改修工事により、地中に眠っていたオニバスが目を覚ましてくれたのです。オニバスは埼玉県レッドデータブック(絶滅のおそれのある野生生物について記載したデータブック)では、絶滅危惧ⅠA類に分類され、県内希少野生動植物種に指定されています。加須市では、永い眠りから目覚めたオニバスとその水面をオニバス自生地として、天然記念物に指定し大切に保護しています。

越中沼昔話

越中沼
 越中沼は当時の子どもたちの遊び場だったそうです。水は清く澄んでおり、夏には越中沼で泳いで遊び、夜には蛍が飛び交っていました。越中沼以外にもこの地域には大小多くの沼が存在しており、そこにはたくさんの動植物が生息し、ドジョウやウナギ、コイ、フナ、ナマズなどを捕まえて食べたそうです。

 オニバスも当時は沼一面を覆うほど繁茂しており、オニバスの種も食べていたということです。

オニバス復元池―水辺の生態系

オニバス 水辺の生態系
 オニバス自生地に隣接する復元池の中は、いろいろな生物がかかわりあってひとつの社会(生態系)をつくっています。それぞれの生物が影響しあうことによって、バランスの取れた水中の生物相を維持しているのです。水中の養分を肥料として。浮生植物や植物プランクトンが育ち、それらを餌として動物プランクトンや小魚・水生昆虫などが育ちます。水中の中で頂点に立つ生物が、ナマズやライギョ(カムルチー)などの肉食性魚類です。
 しかし、味方を変えれば、餌となる小魚や水生植物が豊富だからこそ肉食性魚類が生育できるのであり、この池の生物がいかに多様性に富んでいるかがわかります。
 例えばオニバスの天敵であるザリガニが異常に増えた場合、捕食者である肉食性魚類が増え、ザリガニ数のバランスが保たれます。裏をかえせば、肉食性魚類が生息できない環境になると、ザリガニが増えオニバスが絶滅する恐れが生じることになります。

オニバスの一生

オニバス幼少期


 5月ごろから水底の土中より種子が発芽し、矢じり形の幼葉が水面にのびてきます。葉の成長が最も盛んな7月頃になると、トゲのある丸い葉を広げるようになり、浮葉の直径は大きなものでは2メートル近くになります。




オニバス成熟期

 7月下旬頃から9月上旬頃まで早朝より赤紫色の可憐な花を咲かせます。午後には徐々に閉じてしまい、2,3日開花した後、水中に沈み種子を作ります。

 種子は翌年発芽するものだけでなく、長い期間を経てから発芽するものもあり、環境異変による絶滅の危険から身を守っています。



観光土産:オニバスの郷

オニバスの郷
 加須市北川辺地域に自生する天然記念物『オニバス』をモチーフとした輪中の郷・北川辺銘菓。オニバスの特徴である大きな葉をイメージしておつくりしました。
 黒糖を使用した和風のクッキー生地に、それぞれ白ごま・かぼちゃの種を練りこみ、オーブンでこんがりときつね色に焼きあげました。

【製造販売店】
 御菓子司 せきね
【住所】
 〒349-1201
 埼玉県加須市柳生2821-1
  ※オニバス自生地より車で約5分
【電話】
 0280-62-0002
【営業時間】
 不定休(HPにてお知らせ)
 AM8:00~PM7:00

自生地へのアクセス

    

お車でお越しの方
東北自動車道加須IC・館林ICから約15分。
電車でお越しの方
東武日光線新古河駅から約20分。


※参考資料:加須市作成パンフレット